美容 求人 医師 求人 萌通新聞 キョン「えー、アニメ業界の求人は……」
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キョン「えー、アニメ業界の求人は……」

1 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 投稿日: 2009/07/19(日) 03:19:54.64 ID:aB8HQrRx0
キョン「今日も求人、なし、と」

キョン「なあ、長門」

長門「何」

キョン「お前の情報操作とかで求人とかをぱぱーっと増やしたりは……」

長門「推奨できない、経済混乱の可能性がある」

キョン「一社くらいなら問題は無いだろ」

長門「一社の影響によって経済に大きく影響する可能性は否定できない」

キョン「下請けでもか?」

長門「……カオス理論。あるいは神の見えざる手」

キョン「神の見えざる手、か。経済を弄って安定させたりは不可能なのか?」

長門「そこまでの情報は収集できていない。経済は人類の自立進化の鍵の一つ」

キョン「このままじゃ……エンドレスニートだな」




2 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 03:21:47.99 ID:aB8HQrRx0
長門「まだ、可能性はある。数社、求人情報を出してる会社を抽出した」

キョン「孫請けか作画専門だろ?」

長門「そう」

キョン「俺、絵は描けないし、孫請けならまだ常時募集に飛び込んだ方が……」

長門「常時募集は、推奨できない」

キョン「そっか」

長門「そう」

キョン「ところで長門」

長門「何?」

キョン「なんで常時募集は推奨できないんだ?お前に言われて避けてきたが……」

長門「話せば長くなる。したがって端的に掻い摘む。極論になるかもしれない」

キョン「いや、それくらい極端でいいよ。助かる」




3 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 投稿日: 2009/07/19(日) 03:22:51.08 ID:EDV1+2ND0

エンドレスニートがグサっときた……

4 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 03:22:54.78 ID:aB8HQrRx0
長門「常時募集ということは、常に人材が不足してると言うこと」

キョン「つまり……?」

長門「つまり、職場環境が劣悪、あるいは給与が極端に低い、このどちらかが大体当てはまる」

キョン「なるほど」

長門「したがって、新人も多く辞めていく傾向にある」

キョン「だから常時募集する、ってことか」

長門「そう。急募はさらにその色が濃い。仕事があるのに人材がいなくなったことで急募を立てる」

キョン「急募、あー、よく見かけるあの」




5 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 03:24:56.68 ID:aB8HQrRx0
長門「右も左も分からない新人に、大量の仕事が舞い込んでくる。乗り越えれば実力になるが、ほとんど潰される」

キョン「使い捨て、ということだな」

長門「一ヶ月持てば良い、あるいはその一話持てば何とか、というのが本音」

キョン「そいつはまた凄惨だな」

長門「アニメ業界はその存在自体がブラック。よってさらに深淵。それはもはやブラックじゃなく、闇」

キョン「闇……か」

長門「闇」

キョン「とはいえ新卒募集でもやっぱりブラックなんだろ?」

長門「新卒募集をしているところはまだ新人を育てようという意識が強い、だから推奨している」

キョン「でも、募集自体が無いんじゃなぁ」

長門「……」



7 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 03:44:45.87 ID:aB8HQrRx0
キョン「募集無いのは作品数が減ってるからか?」

長門「制作進行職は常時不足している」

キョン「じゃあ経済的な」

長門「その問題は大きい。しかし業界を通して自転車操業。作品を作らなければならない」

長門「建築業と違って、物理的な場所はとらない。視聴者が飽きるまではペイラインが保たれる」

キョン「つまり今後もある程度作品は作られるってことか」

長門「ただし、深夜アニメについては減少傾向にあるのは否めない」

キョン「まあなぁ、右も左も同じような作品が多いような」

長門「その問題よりも、スポンサーの意向が強い」

キョン「スポンサーの?」

長門「アニメは利益が出ない、と避ける会社が増えた」

キョン「元から出ないもんじゃないのか?制作費は膨大にかかるわけだし」




8 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 投稿日: 2009/07/19(日) 03:46:34.58 ID:aB8HQrRx0
長門「あくまで二次使用量や著作権料の利益」

キョン「……?」

長門「もともとの制作費が少ないため作品を作っても赤字。DVD補填という形は最初から崩壊している」

長門「パチンコマネーやファンドマネーは制作費自体が高い。したがって作品を作ることで黒字になる」

キョン「実際の制作費ってどれくらいなんだ?」

長門「テレビ局にも拠る、制作費の決定の大元はNHK」

長門「NHKが30分いくら、という金額を決めたら、そのときの30分番組の制作は他局もそれに合わせる」



10 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 03:50:14.16 ID:aB8HQrRx0
キョン「ということはどこで作っても同じなのか?」

長門「そうでもない。NHKと同価がフジ。日テレ、テレ朝、TBS、テレ東、という順番で制作費が決まっている」

キョン「じゃあアニメはNHKで作るのが一番なのか」

長門「違う。フジが一番」

キョン「何でだ?」

長門「フジはCMが入る。したがって実質20分。NHKはCMが無いため25分以上作らなければならない。500万以上金額に差が出る」

キョン「納得した」

長門「ちなみにこれはあくまでテレビ局から作品を作ってほしいと頼まれた時のみ」

長門「今のアニメの多くは作って放送枠を買っているためこれはあまり適用されない」

キョン「深夜アニメって奴か」

長門「今、局から作品製作要請を出してるところはNHKとフジのノイタミナ、そしてテレ東のみ」

キョン「他の深夜はどうやって作ってるんだ?お金なんて最初から無いだろ?アニメ会社には」

長門「制作委員会方式。自分たちで作っている」

キョン「あー。あれって利益が出るのか?よく見かけるが」

長門「売れれば出る」



13 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 03:57:30.25 ID:aB8HQrRx0
キョン「売れれば出るって、そりゃ当たり前じゃ……」

長門「そうではない。3500枚売れて利益100万程度。1万枚売れて利益がやっと500万」

キョン「それは会社単位で?」

長門「そう。DVD補填じゃ次作品が作れるほどの利益は見込めない」

キョン「自転車操業か」

長門「そう」

キョン「でも、大きな会社もあるじゃないか。日曜朝の帝王や、金曜の夕方の会社とか」

長門「それは制作委員会方式で制作費を自分たちでも支払っているか、あるいは自社で全額制作費を出している会社」

キョン「じゃあ他社もそれをすれば」

長門「自社でも制作費を払う代わりに、版権を持てる会社は数社のみ。」

長門「残りはほぼ制作費のみでの賄い」

キョン「なるほどな、つまりCDとかの売り上げとかも」

長門「制作側には回らない。これでは立ち行かない」




14 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 03:59:20.32 ID:aB8HQrRx0
キョン「大体分かった。一話につき大体どれくらい予算がかかるんだ?」

長門「まともな資金回転で考えれば一話に付き1200万?1500万」

キョン「結構かかるんだな」

長門「版権などをすべて出資側に渡せば大体1500万貰える」

キョン「トントンか」

長門「これにプレス代や広告費がかかるとマイナス」

キョン「それをDVDで補填する、わけだな」

長門「そう、ちなみに制作費を自分たちも出してる、あるいは版権量を自分たちで持つ会社は800万?1200万で作る」

キョン「マイナスだな」

長門「枚数制限などをしても、一話に付き100万くらいのマイナスが出る。1年通してやるのが恒例なので5200万ほどマイナスになる」

キョン「凄い金額になるじゃないか」

長門「その分グッズなどを売って版権量を稼ぐ。日曜朝の帝王はそうして利益を出してる」

キョン「利益はどれくらい?」

長門「営業努力が実れば100億単位の利益が見込める。低くても20億は出している」



16 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 04:00:45.59 ID:aB8HQrRx0
キョン「へぇ……まあ倍率高いから求人が出ても入れないんだけどな……」

長門「それは別問題」

キョン「……」

長門「……」

キョン「……」

古泉「お久しぶりです。おや?まだお二人だけですか?」

キョン「ああ、ハルヒは遅れるそうだ、朝比奈さんは今こっちに向かってる」

古泉「そうですか」

キョン「ああ、それで古泉、調子はどうだ?」

古泉「だいぶ仕事にも慣れてきました。今二原でして、今度原画になれるみたいです。んっふ」

キョン「そうか。そいつは良かったな」

長門「祝福する」

古泉「ありがとうございます。それでお二人の方は?」

キョン「求人が無くてほとんど行動に移せてない」

長門「業界としてもかなり厳しい、しかし斜陽というのは30年も前から言われてること」



17 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 04:03:55.41 ID:aB8HQrRx0
古泉「そうですね。僕自身は作画なのでそこまで詳しいことは言えませんが、それでもファクターは色々とありますから」

長門「復帰は可能。事実、秋には少し盛り返す」

古泉「そうですね。作品数も少し増えますし」

キョン「そうあればありがたいものだがね。求人が増えればなおよし、だ」

古泉「ところでどういう会社を今の所、視野に?」

キョン「やはり大手。あるいは作品数をやってる所かな」

古泉「ふむ、その辺ですか、僕個人としては作品や大手に限らずとも良い会社はあると思うんですが……」

キョン「そうなると求人がめっきり減ってなぁ」

古泉「なるほど。長門さんはどう思います?」

長門「大手に限る必要は無い。ただ」

キョン「ただ?」




18 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 04:04:41.73 ID:aB8HQrRx0
長門「大手の方が生き残りやすい。環境の差、あるいは仕事量調整、スケジュール、その他でも十分に生き残れる」

古泉「長門さん、ここからは僕が説明しましょう」

古泉「アニメーターは作画をする仕事ですが、制作進行は作画を回収し、作業を円満に進めることです」

古泉「つまりアニメーターは画力を高めれば、そして制作進行は顔を広めることが仕事の大きな要因になるんです」

古泉「アニメーター。であれば下請けでもいいでしょう。ひどい環境でもない限り作画価格にもそう大きな差はありませんし」

古泉「それに、いろんな仕事が舞い込んでくることで画力はめきめきと上がります。それから大手に移る、というのも一つのでしょう」

キョン「だろうな」

古泉「実際、多くのアニメーターが実力をつければフリーになる現状ですしね」

古泉「ただ、制作進行は少し違います」

古泉「作業を覚える、という点ではどこでも入り込むことが重要、というのは進行、作画、違いはありません」




19 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 04:08:39.31 ID:aB8HQrRx0
古泉「一つの作品のグロスなどを請け、会社ごとの付き合いがあるならまだいいでしょう」

古泉「しかし、リアル系統物、美少女物やアダルト、ロボットなど固定の会社は無くたくさん請けている会社の場合はどうでしょうか?」

キョン「たくさん作業があるわけだし、いろんな作品に触れられる、いいんじゃないのか?」

古泉「制作進行は顔を広めることも一つの仕事だ、と言いましたよね」

キョン「ああ」

古泉「ロボットが得意、というAさん、エロ、美少女が得意、というBさん、リアル系統が得意というCさんがいたとします」

キョン「ふむ」

古泉「ロボット物が舞い込んできてAさんに仕事を渡し、次の月では美少女物が来、Bさん、次にリアルが来てCさん、と3ヶ月に渡り別の作品が回ってきました」

キョン「作業が多いな」



21 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 04:13:15.47 ID:aB8HQrRx0
古泉「一方、違うグロス請けあるいは元請けでは、1クールを通してロボット物をやり、Aさんとのやり取りが3ヶ月にわたり続きました」

キョン「あっ」

古泉「んっふ、そうです。Aさんとしての印象は後者の方が強いでしょう?たくさん仕事があるのは決して当人にとってはいいことばかりじゃないんです」

キョン「なるほどなぁ」

古泉「そうなると、ロボット物があるからAさんに頼む、ということもできるようになるんです。制作進行の顔の広さでね」

古泉「あるいはAさんの周りに有名な演出や作画がいたりしてそれを引っ張ってくるなんてことも出来たりするんです」

キョン「コネか」

古泉「ええ。この業界、コネは重要ですよ。コネ一つで無名から超有名になる人だってたくさんいるんですから」

キョン「そんなもんかね」

古泉「もちろん、ネームバリュも重要ですよ。今後の会社の動向がある程度はっきりしますから」

キョン「動向?作品なんて何やるかわからないだろ?」

長門「倒産の心配等」

古泉「そういうことです。名前のある会社にはスポンサーも集まりやすいですしね。んっふ」

キョン「……なるほどねぇ」



25 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 04:26:35.21 ID:aB8HQrRx0
古泉「僕はそれくらいしかいえないですけどね」

長門「古泉一樹の言ってることは事実」

古泉「それにですね、今のゴールデンタイムはバラエティ、特にクイズ番組が今増えてるじゃないですか」

キョン「ああ、そうだな。低俗であまり見る気も起きないが」

古泉「あの番組のスポンサーの多くは若い女性をターゲットにしてるんです」

キョン「……?」

古泉「化粧品、あるいは生理用品などのCMが多いんですよ」

長門「男性客はリテラシーが高く、かつあまり資金を捻出しない」

キョン「そういえばそうだな、生理用品のCMなんかは見ていて恥ずかしくなる」

古泉「作品が良質でも作品とCMは関係ない、と言う方が多いですね」

キョン「それと番組、何の関係が?」



31 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 04:36:14.58 ID:aB8HQrRx0
古泉「あるバラエティ番組のプロデューサーから聞いたのですが、あれ、1時間番組なのに制作費500万だそうで」

キョン「安すぎやしないか」

古泉「芸人と有名タレントを詰め込んでおけばいいのでギャラは安いですよ。スタッフもアニメに比べれば少ないですし」

キョン「確かにな。芸人ばっかで面白くも無いが」

古泉「女性は気にしません、いえ、決して馬鹿にしているわけではないんですけどね。んっふ」

キョン「で、それがアニメと関係するのか?安いだけだろ?」

長門「アニメの制作費は1500万、1時間なら3000万かかる、バラエティなら500万」

古泉「テレビ局や企業としては利益の出るほうを優先しますし、スポンサーも集まりやすく広告費も十分に高いんですよ」

キョン「だからテレビもアニメが極端に減ったのか」

古泉「だからああいう番組はDVDやグッズじゃなくて良い。作るだけで膨大な利益が出るんです」

キョン「確かにな。ストラップとか小物程度しかグッズはないし、売る気も無いよなぁ、あれらは」

古泉「それとテレビ業界にアニメ ちょんまげ ヤクザ、っていう隠語があるんです」




32 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 04:38:14.97 ID:aB8HQrRx0
キョン「なんだその仰々しくも関連性の無い言葉の羅列は」

長門「アニメ、時代劇、ヤクザ物の略」

古泉「作っても売れない利益が出ない視聴率が出ない、という作品です、つまりアニメは利益の出ないとみなされてるんですよ」

キョン「しかし聞く限りじゃ、実際に作るだけじゃ利益は出てないだろ」

長門「それは事実」

古泉「そうですね。たとえば3000万利益が出ても、1時間番組なら±0、クイズだと2500万黒字が出ますから……」

キョン「そりゃあ問題だなぁ」

長門「由々しき問題」

古泉「そうやってアニメは追いやられてしまった部分もある。もちろん自分たちの責任の方が大きいのですけれどもね」

長門「結果的に、アニメ業界は利益が循環しない赤字業界、人選びも慎重になる」




33 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 04:43:05.64 ID:aB8HQrRx0
キョン「はぁ、こんなことなら専門に行っておけば良かった」

長門「大学もひとつの選択肢」

古泉「そうですね、僕自身ももっと勉強しておけばよかったと思います」

キョン「とはいえ、専門出て1年で原画って凄いじゃないか」

古泉「そうでもないですよ。昔は3年あった期間が1年になってる現状はむしろマイナスです」

長門「時代の流れ」

古泉「そうはっきりと切ってしまうのもなにやら恐ろしい気がします。ただ動画作業は海外に回してる現状ですしね」

キョン「時代の流れ、ねぇ。ところで疑問に思っていたんだが、専門卒って本当にメリットがあるのか?」

古泉「一概には言えませんね。大卒の利点もありますし、専門卒の利点もあります」

キョン「というと?」



36 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 04:47:25.54 ID:aB8HQrRx0
長門「専門卒はコネなどで業界にもぐりこみやすい。事実、専門からしか取らない会社はたくさんある」

古泉「業界全体を通して、専門卒4割、美大卒2割、大卒1割5分、高卒1割5分、その他一割、といった具合でしょうか」

キョン「その他っていうのは」

古泉「中卒や学歴不詳、なんて方々ですね」

キョン「そんなのがいるのか?」

古泉「なんたって60過ぎたおじいさん達がかわいい少女を描いてる業界ですから」

キョン「ああ……」

古泉「それで専門卒のメリットですが、コネと即戦力という点ではずば抜けてます」

古泉「もちろん、きちんとした専門を出た場合、ですけどね」

キョン「きちんとした専門ってどれくらいあるんだ?」




37 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 04:49:57.21 ID:aB8HQrRx0
古泉「ほとんどありません。20の中に1個あるかないかくらいで……」

古泉「ひどいところになると僕と同期で卒業した友人が今講師をしてるらしいです。まだ業界1年を過ぎたばっかりなのに」

キョン「そいつはひどいな……」

古泉「いえ、それでもまだマシな方です。業界人を引っ張ってきてますから」

キョン「当たり前だろ?」

古泉「いいえ。業界で働いたことの無い人間がアニメを教えてるなんてザラですよ」

キョン「そりゃちょっと違うんじゃないのか?教えてるアニメ自体が」

古泉「アートアニメーションとかならまだいいんですけど、テレビアニメーションの学校で」

古泉「ですから、専門卒業してきたのにタイムシートも読めない、なんてことも平然と起こっています」

キョン「……」

古泉「それから、

キョン「じゃあ大卒の方が有利なのか」

古泉「ともいえません。割合として大卒が低い理由はちゃんとあるんです」



39 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 04:50:52.43 ID:aB8HQrRx0
>>37
古泉「それから、専門を出たところで、3ヶ月もすれば皆同じ程度の能力になっていますからね」




40 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 04:58:18.13 ID:aB8HQrRx0
長門「それは違う。就職には大卒の方が有利」

古泉「ああ、すいません。そうですね。特に大手は学歴は有利に働きます」

長門「そう」

古泉「ただ、これは大卒の先輩の話と自分の体験談ですが」

古泉「同期で入った人間が仕事が辛いのは当たり前です。自分も辛いからそれは分かっている」

古泉「ただ、他社に入った友人等と愚痴を言い合う、共感しあうという行為が出来なかったり」

古泉「あるいは実力が並ぶまでの最初3ヶ月でやめてしまう人、底辺過ぎて学歴が無為に思えてやめる人」

古泉「そして業界の半分近くを占める専門卒がいるわけで会社に一人くらいは出た学校のOB、OGがいて親切にしてくれたり」

古泉「専門で教えられた精神論なんていう過去の遺物が意外と左右してきたりと」

古泉「専門卒の人が生き残る割合は高いんですよね。だから逆に専門卒の比率は高くなってます」

キョン「就職には有利だけど生き残りづらい……か」

古泉「ちゃんとした専門なら本気で勉強しますから、後々技術や引き出しとして生きてくる部分もあるみたいです」

長門「それは語弊、大学でも勉強すれば引き出しは無限に作れる」

キョン「結局、能力次第……か」

古泉「そう、ですね、努力やコネも重要ですが能力があれば高卒、中卒の人でも腕を振るっていますし」



42 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 05:09:38.28 ID:aB8HQrRx0
みくる「すいません?遅れました?、チェック作業が終わらなくて……」

キョン「お疲れ様です、朝比奈さん」

古泉「お疲れ様です」

みくる「涼宮さんはまだなんですか?」

キョン「ええ。あいつ、忙しいですし」

古泉「そうですね。彼女の持つパワーはすさまじいものがあります」

長門「同意する」

古泉「朝比奈さんは演出になったんですよね?」

みくる「ええ、まだ後処理演出ですけど、早く絵コンテを切れるようになりたいです」

キョン「5年目ですっけ?」

みくる「ええ。なんとかやっていけてます?」

古泉「今もあの会社に?」

みくる「ええ、そうです」

キョン「あの業界最大手に演助で、ですよね……例年、倍率だって50倍超えてますし」

みくる「たまたまですよ?。運が良かっただけです?」



45 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 05:16:19.89 ID:aB8HQrRx0
キョン「そういえば、演出助手として募集してる会社あそこだけなんですっけ?」

みくる「そうみたいですねぇ。形式として演助を募集する会社数社ありますけど?」

長門「実作業は制作進行と同じ」

みくる「ですねぇ」

古泉「業界最大手としても、今の傾向はどうなんですか?」

みくる「うーん……とりあえず契約社員として最低賃金は出ているので仕事が無くても食べてはいけるんですけど」

みくる「社内でも人が余ってる状態です」

古泉「ふむ。業界としても今が堪えどころですかね」

みくる「そうですねぇ」

みくる「ただ、会社としての余力はあるので、業界が崩壊しても何とかなりそうです?」

キョン「歴史ある大手の強み、ですか」

みくる「ただの一社員の妄言ですけどねぇ」




47 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 05:24:04.45 ID:aB8HQrRx0
みくる「そうそう。業界としては珍しく労組と食堂があるんです?」

古泉「えっ?そうなんですか!?」

キョン「うん?驚くことか?会社として労組も食堂も普通だろう?」

古泉「とんでもない!食堂がある会社は数社、それも社員食堂として調理して出してくれる会社なんてその会社以外どこにもありません!」

長門「労働組合がある会社は、その会社と某漫画家が立てた老舗プロの二社のみ」

キョン「ああ……あの会社か、あそこも急募でバイト制作進行募集してるよな……」

古泉「バイト、って言ってますけど正社員登用ですけどね……」

キョン「そうなのか!?だったら大手だし良いじゃないか!給料とかはどうなんだ?」

長門「給与は安定している」

キョン「だったら!」

古泉「でも、今作品を回してませんよね。権利ゴロになっちゃってしまって……あまり良いうわさも聞きません」

みくる「でも人材は良い人が多いですよ?今度うちの会社でもあそこの会社から監督連れてきて作品を作るんです」

長門「グロスも定期的に請けている」

古泉「そうですが……制作進行としては、どうなんでしょう?」

みくる「……確かに考え物かもしれません」




48 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 05:27:02.85 ID:aB8HQrRx0
古泉「時代を作った会社も作品をやらなければどんどんと廃れていきますしね」

キョン「それが疑問なんだが、稼いだ会社なら権利ゴロと言われようと利益は常に出るから作ろうと思えば新作は作れるんじゃないか?」

古泉「作品も作らない会社で、正社員としても登用してない。働かないと給与が発生しない会社にアニメーターが居つきますか?」

キョン「ああ……なるほどね」

古泉「そうなんですよ。自転車操業になってしまう一つの問題点に、作品を作らなければスタッフが会社からいなくなるんですよ」

キョン「かといって正社員として給料を払うわけにもいかない、ってことか」

古泉「ええ。ですから作品を作らなくなった会社どんどんと先細りしていくんです」

長門「拘束料を払った会社はある」

古泉「ああ、パンツじゃないから恥ずかしくないからパンツはいてないへと進化したあの……」

キョン「そうなのか!?」

古泉「今やぴくちゃーまじ……いえ、なんでもないです」

キョン「何だよ……歯切れ悪いな」




50 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 05:29:31.57 ID:aB8HQrRx0
キョン「でも、お金で人を引っ張ることはある程度なら出来るだろう?」

古泉「そこで問題になるのが優秀な人材不足なんです」

古泉「この業界が低賃金でも回転してるのは作品を作りたいって人が多いからなんですよ」

キョン「ハングリー精神、というものか」

みくる「キョン君もアニメが作りたいからこの業界を目指してるはずです」

キョン「そうです」

古泉「ですから、お金で引っ張る以上に魅力や、人のカリスマも重要です」

キョン「でも虫プロから監督を引っ張ってきて作品を作ってるくらいだから人材はいるんじゃないか?

長門「プロデューサー不足も業界の抱える問題」

みくる「営業力の無さはどの会社も嘆いてます?」

キョン「よくわからんな、人材は要るけど人材はいない、という感じか」

古泉「攻撃力特化、防御力特化、という会社が多く、両立できる会社が数社しかない現状ですね」

長門「体力の無い会社は事実、倒産している」

キョン「そうやって俺の求人が」

長門「あなたの求人ではない」



52 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 05:33:59.89 ID:aB8HQrRx0
みくる「プロデューサーといえば涼宮さん、頑張ってるみたいですねぇ?」

古泉「僕の会社でもたまに名前を聞くくらいですからね。凄い活躍ですよ」

長門「彼女はある種の天才。カリスマ性に長けている」

キョン「面白い作品が無ければ作ればいいのよ!なんてあいつが言い出しそうなことだ」

みくる「それが認められるなんて凄いじゃないですか?」

古泉「んっふ。僕ら作画陣としては少し嫉妬してしまいますけどね」

長門「何故」

古泉「演出だと、彼女は彼女の演出、彼は彼の演出とまだ割り切れますけれども」

古泉「アニメーターは、決められたキャラクターデザインで求められた作画をしなければなりませんから、実力の優劣がはっきりとするんです」

キョン「ああ、漫画家とアニメーターが議論すると、天才や才能を漫画家は否定して努力を歌い、アニメーターは才能のある天才がいると認めあきらめる、なんて話があるよな」

古泉「統一された色、シナリオや演出をどうするわけでもなく絵のみで競う仕事ですからね、はっきりと壁が見えるのは怖いんですよ」

キョン「……」

古泉「たまに逃げ出したくなりますよ。隣の机で天才が働いていて、自分の絵を見た時の絶望に勝てなくなりそうで、はは」

みくる「……」



54 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 05:35:33.35 ID:aB8HQrRx0
古泉「上手い人は絵にパワーがあるんですよ」

キョン「パワー……?」

古泉「絵に匂いが付いてくる、絵の中に寒さ暑さがある、絵の中に痛みがあって、絵の中に音があるんです」

古泉「到底……、勝てそうにも無い……」

キョン「それでも、お前はお前だから……」

古泉「求められるものは僕自身じゃなく、僕があげたカットなんですよ」

長門「もっと自信を持つべき。同期で8人入って今や古泉一樹とその人だけ。競争に打ち勝っている」

古泉「そうであれば、うれしいんですけどね……」

キョン「そうだな。俺から見れば古泉も現場でいっぱしに頑張っている」

キョン「それに作画できるのも一つの才能だと思う」

キョン「それでもハルヒみたいに入って2,3年でプロデューサーをやるような天才は、いるんだろうな……」

みくる「入社3年目で監督やってる演出家も実際にこっちにもいますしね……」

古泉「集団作業なんです。天才を認めるな、才能を認めるなっていう方が無理ですよ」

古泉「僕は楽天家には、なれません」




61 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 05:46:19.20 ID:aB8HQrRx0
古泉「スピードの自信はあります、それでもレイアウトがきちんと取れなかったり、タイムシートがおかしかったり」

古泉「演出の意図が汲めないこともありますし、作監の修正で全修があったとき」

古泉「目の前で使えないと僕のカットが全部破られた時、無能だと怒られたとき、いつも心が折れそうになります」

古泉「朝比奈さんなら分かるでしょう?ダメなカットがあがってきたら、一枚修正用紙に作監さん修正お願いしますって、口ぞえしたくなる気持ち」

古泉「全修でお願いします、って言いたくなるようなダメなカット。自分でも分かるんです。優秀な人に比べると自分の絵にお金が発生するほどの価値なんて無いってこと」

みくる「……」

長門「それでも作品を作るに当たって頭数は必要、数のこなせるアニメーターは重宝する」

古泉「そうなんですよ、僕はあくまで頭数なんですよね……」

古泉「あ、すいません……こんな愚痴っちゃって、重々しくなっちゃいましたね」



63 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 05:49:13.09 ID:aB8HQrRx0
ハルヒ「ごめーん!遅れちゃった!!」

キョン「よう……ナイスタイミングだな……」

みくる「お久しぶりです……」

長門「……」

古泉「こんばんは……」

ハルヒ「何よこの、お通夜モードは!!」

ハルヒ「遅れちゃったんだから、ここは奢るわ!」

ハルヒ「やっと企画がひと段落通ったばっかりだし今日はぱーっとやっちゃいましょう!パーっと!」

キョン「そりゃよかった。おめでとう」

みくる「おめでとうございますぅ……」




65 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 05:54:52.69 ID:aB8HQrRx0
ハルヒ「そうだ、古泉君!今度の私の作品、原画をやってほしいんだけど!」

古泉「えっ?でも、僕、まだ原画を描けるほどの実力じゃ……」

ハルヒ「ちょうど古泉君の画風に合うデフォルメがあまりきつくないキャラクターなのよね!」

ハルヒ「あと、みくるちゃんもしない?絵コンテの!」

みくる「えっ?でも……」

ハルヒ「でも?じゃない!もう3本も演出やってるんだし、そろそろいいでしょ!まだ染まってない内に自分の演出を確立してほしいのよね!」

ハルヒ「有季もそろそろ転機じゃない?フットワークの軽いラインプロデューサーがほしいのよね!」

長門「興味がある」

ハルヒ「それからキョン!仕事、まだどうせ決まってないんでしょ?」

キョン「うるせえよ……」

ハルヒ「設定進行が空いてるんだけど、どう?」

キョン「おいおい、そんな大役俺に任せていいのかよ?」

ハルヒ「いいのよ!愚痴を言いながらもなんだかんだで働くのは私がよく知ってるんだから!」




66 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 05:55:37.35 ID:aB8HQrRx0
ハルヒ「決まりね!キョンは取材の方、よろしく!」

キョン「おいおい、そんないきなり決められても、どこに行くかわからないんじゃ」

ハルヒ「その心配は無いわ!」

キョン「そんなこと言ったって勝手に進められちゃ困るんだが」

ハルヒ「うるさいわねーキョン」

キョン「作品がどういうものかすら分からないだろ!?」

みくる「どんな話なんですか?」

古泉「そうですね。僕もそれが分からないと……」

ハルヒ「あら?古泉君、性格が変わったのかしら?何でも笑顔で首を縦に振ってたのに」

キョン「お前が縦に振らせていたんだろうが」




67 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 05:56:58.90 ID:aB8HQrRx0
ハルヒ「まあいいわ」

キョン「よかねえよ」

ハルヒ「いちいちうるさいわねー。舞台は私たちの通っていた高校!取材許可も取ったのよ!」

キョン「そいつは凄いな、って、ちょっとまて。母校なのはいいが話がぜんっぜんわからん。学園物なのか?」

ハルヒ「あったりまえよ、なんたって私たちを題材にした作品を作るんだから」

キョン「はい?」

ハルヒ「だーいじょうぶだって!ほらこれが企画書!まだタイトルは未定だけど」

長門「未定でも良い。知りたい」

ハルヒ「タイトルは―――」




68 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 05:57:40.57 ID:aB8HQrRx0

      涼

      宮

      ハ

      ル

      ヒ

      の

      憂

      鬱





77 名前: 閑話休題?BG EDITION? 投稿日: 2009/07/19(日) 06:06:39.01 ID:aB8HQrRx0
朝倉「あー!!もうっ!なによこれ!」

長門「……何?」

朝倉「長門さんが持ってきたこのカットのことよ!」

長門「……何?」

朝倉「何?じゃないわよ!PANなのにPAN幅が描いてないわよ!」

長門「新人のカット。大きめに描いて」

朝倉「背景の独断でFIXにしちゃってもいいわよね?」

長門「あなたは背景のはず、独断専行は許可されていない、レイアウトに従うべき」

朝倉「いやだと言ったら?」

長門「カット引き上げして誰かに頼む」

朝倉「やってみる?誰もこんなレイアウト、描いてくれないわよ?」

長門「その場合はコンポジションを解除する」

朝倉「何も面白みの無いレイアウトに私、飽き飽きしてたの」

長門「……」

朝倉「やらなくて公開するよりも、やって公開したほうがいいって言うよね」




79 名前: 閑話休題?BG EDITION? 投稿日: 2009/07/19(日) 06:17:41.71 ID:aB8HQrRx0
朝倉「いつかまた、ひどいレイアウトが来るかもしれない。それじゃあねぇ……」

長門「その場合は最初から渡すしかない」

朝倉「じゃあFIXにしてくれるの?」

長門「私にはその権限は無い。涼宮ハルヒに連絡をする」

朝倉「涼宮さんと押し合わせしないでね」

長門「考慮する」

Plll...

ハルヒ『あ?有希?どうしたのー?』

長門「情報の伝達に齟齬が発生するかもしれない、聞いて」

ハルヒ「え?何の話?」

長門「カットの話、背景側から変更要請があった、考慮する必要がある」

ハルヒ『何カットー?」

長門「一カットのみ。予算に問題は無い」

ハルヒ「なら大丈夫ね。そのコンテ切ったのみくるちゃんだから、みくるちゃんに連絡しておいてー」

長門「了解した」




86 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 06:51:35.70 ID:aB8HQrRx0
キョン「ところで朝比奈さん」

みくる「はい、何でしょう?」

キョン「アニメ業界に入るなら制作進行でも絵がかけた方がいいですかね……?」

みくる「よく聞く質問ですが、本人次第、という感じです」

キョン「といいますと?」

みくる「描けなくても口で、体で、文章で説明する、説得する自身がある!という方は描けなくてもいいと思いますよ」

キョン「なるほど」

みくる「もちろん、業界は再編期に差し掛かっていますから、やはり絵の業界、描けるに越したことはありませんけれども」

みくる「演出技法がずば抜けて上手い人もたまにいますが、そうでない場合、画力で生き残る確立はぐっと増えます」

みくる「アニメーターよりも上手い、なんて演出が最近は増えてきてますね?」

キョン「プロデューサー方面に進もうと思った場合は……」

みくる「プロデューサーも同じですけれども、それ以上に知識や説得力が物を言う仕事が多いですから」

みくる「やっぱり本人がどう思うか、ですね。個人的には描ける人の方がやはり伸びていくように思えます」

みくる「それとですね、絵描きの方は絵の優劣で対比しちゃいますので、ある程度描けないとまず相手にされない、なんてこともままありますよ」


みくる「パースライン、キャラクターの立ち位置、カメラワーク、これが分かれば演出は一応できます?」





87 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 06:58:22.55 ID:aB8HQrRx0
みくる「最近はP出身の経営者が増えてきてますねぇ」

ハルヒ「そうね。いいことだとは思うけれどもそれと同時に乱立の原因にもなってるわ」

キョン「ちょっとまて、ということは今まではそうじゃなかったのか?」

長門「そう。特に80年?90年にかけてはアニメーターが会社を立ち上げていたことの方が多い」

キョン「何か問題があるのか?」

古泉「ちょっと考えても見てください。美大卒、専門卒、高卒の方が大卒より割合が大きい業界で、ですよ?」

キョン「ふむ」

古泉「経済のけの字を知ってる社長が何人いたでしょうか」

キョン「あ……」

みくる「そうなんです、アニメーターが社長になるっていうことは作品は良作が出来ても企業との駆け引きが出来ないということもありまして」

長門「結果が今の惨状、低賃金ではびこり、アニメの価格価値が低い要素の一つ」

ハルヒ「自分の作りたい作品が作れないから会社を立ち上げる!?それで何がプロデューサーよ!」

ハルヒ「会社を説得して、会社にお金を出させて、自分の作品を作る!それが真のプロデューサーでしょ!」

みくる「そんなに皆が皆天才じゃないと思います?……」




91 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 07:09:56.87 ID:aB8HQrRx0
キョン「うーん、やっぱりマイサンシャイン可愛いな」

みくる「メガネコちゃんの方が可愛いと思います?、同性から見ても魅力的です」

ハルヒ「アイボウが可愛いと思うわ」

長門「お京が一番可愛い」

古泉「僕はJ君が可愛いと……」

長門「それは無い」

ハルヒ「古泉君、そういう趣味が……」

みくる「理解できないです……」

キョン「ちょっと引くわ……」

古泉「……」




93 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 07:25:44.17 ID:aB8HQrRx0
俺「マイサンシャインと京花可愛すぎる」

俺「ヤバいわ」

俺「マイサンシャイン可愛すぎて困る」

俺「もう、なんていうか日曜の朝のこの2時間のために生きてるわ」

俺「ああもう、マイサンシャインと結婚したいわ」

俺「ああ、でも、京花も捨てがたいな」




95 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 07:45:21.30 ID:aB8HQrRx0
キョン「シンケンジャーってどうやったらなれるかな」

古泉「うーん、僕ら一般人じゃ文字力が足りないから厳しいんじゃないんですかね」

みくる「でも、シンケンゴールドみたいに努力すれば」

ハルヒ「なれるかならないかじゃないのよ!なることが重要なのよ!!」

キョン「なあ長門、情報操作で変身できるようになれないのか?」

長門「それは無理」

キョン「やはりモヂカラが足りないからか」

長門「そう。加えて侍精神が足りない。黒子から始めるべき」




97 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 07:58:58.04 ID:aB8HQrRx0
ディケイド「ここが涼宮ハルヒの世界か」

キョン「何だこいつは。ゴテゴテとカードを貼り付けらて、まるでちんどん屋だな。およびじゃないから祭りに帰れ」

みくる「変な格好です?……」

古泉「あなたは、もしかしてきか……」

ハルヒ「なにあんた!」

ディケイド「覚えておけ、通りすがりの仮面ライダーだ」




99 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 08:17:49.35 ID:aB8HQrRx0
古泉「見て下さい。僕もとうとう変身できるように」

キョン「赤い球にだけどな」

古泉「これで僕も仮面ライダーに……」

鳴滝「この世界にも仮面ライダーが生まれてしまった……ディケイドお前が来ることで世界が崩壊する……!!」

キョン「赤い球だけどな」

ディエンド「この世界のお宝はもしかして……」

キョン「赤い球だけどな」




101 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 08:29:45.36 ID:aB8HQrRx0
みくる「プリキュア始まります?」

ハルヒ「私はキュアピーチね!!」

長門「私は人気から考えてキュアパイン」

みくる「私はキュアパッショ…」

ハルヒ「年齢からキュアベリーでしょ」

長門「キュアベリーが適正」

キョン「キュアベリーかと……」

古泉「キュアベリーこそ適材適所だと思います」

俺「俺がキュアパッションだ!!」




105 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 09:01:00.10 ID:aB8HQrRx0
キョン「DOKKAN DOKKAN ついてる!」

古泉「DOKKAN DOKKAN パラダイス!」

長門「元気玉がはじけ飛ぶぜ!」

キョン「!!」

古泉「!!」

俺「!!」

ハルヒ「!!」

みくる「!!」




106 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 09:05:49.57 ID:aB8HQrRx0
  ♪ ∧__,∧.∩
    r( ^ω^ )ノ _ 
   └‐、   レ´`ヽ  Dokkan Dokkan ツイてる
      ヽ   _ノ´` 
      ( .(´  ♪ 
       `ー      
 ♪  ∩ ∧__,∧        
    ._ ヽ( ^ω^ )7
   /`ヽJ   ,‐┘  Dokkan Dokkan Paradice
    ´`ヽ、_  ノ
       `) ) ♪



108 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 09:10:54.59 ID:aB8HQrRx0
古泉「GONZOは事実上もう存在し……」

みくる「それ以上は禁則事項ですよっ☆」

古泉「あ、す、すいません……」




110 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 09:39:13.10 ID:aB8HQrRx0
古泉「GONZOも実写やってますしね」

みくる「ポケモン作ってるOLMも実写やってます?」

長門「実写をやってる会社は実は多い」

古泉「サンライズも作品作ってると思われがちですけれど、実は企画までで作画は一切やってないんですよね。今」

キョン「でも、白組は特殊なんだろう?」

古泉「そうでもないんですよね」

キョン「そうなのか?」

長門「UfoTable、雲雀も3Dや実写をやっている」




114 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 10:04:23.75 ID:aB8HQrRx0
キョン「ところで今までどういう形だったんだ?制作委員会方式なんてここ最近の話だろう?」

長門「加えて昔は版権利益などは無かった。版権利益自体もキャンディキャンディ以降」

キョン「キャンディキャンディ以降ぐっとアニメが増えたのはそういうことか」

長門「そう。昔はアニメはおもちゃ屋の長い広告という立ち位置」

キョン「なるほどな。マジンガーZとかが」

長門「そのとおり。その次はお菓子やCD業界。アニメソングなどの隆起はここ。20年ほど前から」

キョン「そして、制作委員会か」

長門「そう。アニメは10年周期でスポンサーが大きく変動する。最近の話で言えば少し前まではアニメファンドが存在した」

長門「アニメに関しては利益回収が早期に出来るため、一時期はアニメに関係の無い会社も出資していた」

長門「いわゆる、アニメファンド。決算時期に出資して半年以内に出資金が回収できるため税金対策として使われていた」

キョン「スポンサーの意向ってことは、今はそういう作品は少ないのか?」

長門「国がアニメに関するファンドを法律で禁止した。今は存在しない」




115 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 10:05:47.89 ID:aB8HQrRx0
キョン「今後はどうなるんだ?スポンサーは」

長門「今後はパチンコマネー、あるいは国の解放があればファンドマネーが再度入る」

キョン「パチンコマネーやファンドマネーはいいのか?むしろ業界としては縮小しそうな気がするが」

長門「重要」

キョン「視聴者は離れそうなもんだが」

長門「DVD売り上げのペイライン事態は3500程度。その数字を稼げる作品は多い」

キョン「ならばいいじゃないか」

長門「とんとんでは、次作品にいけないという話はした」

キョン「つまり制作資金潤沢にしたいな、と」

長門「そう。今のパチンコマネーはもしかすると一社スポンサーという時代が戻ってくるかもしれない救世主」

キョン「パチンコが救世主か、悲しい話だな」

長門「うみものがたりの成功は期待している」

キョン「でも、話題自体は……」

長門「スポンサーにとって作品の質ではなく重要なのは顧客回転数、話題づくりとしては十分」




117 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 10:08:30.97 ID:aB8HQrRx0
キョン「話題、か」

長門「企業にとって資金は重要。アニメ会社にもスポンサーにも」

キョン「過渡期ってことか」

長門「この業界は常に過渡期。ただし地デジという点では確かに過渡期」

キョン「そうだ。地デジ、あれはどういう視野を持っているんだ?」

長門「地デジ自体は2011ではなく延期というのが業界の大方の予想」

キョン「まあ、そうだろうな。米国も結局延びたしな」

長門「と同時に視聴率も一気に下がるのは確実」

キョン「そこまでは織り込み済みか」

長門「業界全体として織り込み済み」




120 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 10:17:59.08 ID:aB8HQrRx0
キョン「だったら、また作品数はぐっと減るんじゃないのか?織り込んでいてもどうしようもないだろう?」

長門「もしかすると作品は増えるかもしれない」

キョン「何でだ?視聴率は減るんだろう?」

長門「CSやBS放送はアニメで利益が出ることを理解している」

長門「正しくはCSやBSを見る層はアニメに出資をする客層」

長門「したがって、CS、BSはアニメを作って欲しいと局側から申請してくることが多い」

長門「数だけで言えば、それだけでも今やっている作品の半分に至る。これはかなりの量」

キョン「でも、あまり見ないよな。CSオリジナルとかBS限定作品は」

長門「制作費の問題。地上波に比べ金額が1/2?1/10の価格を提示してくる。いくら局が頼んでも作るだけマイナス」

キョン「しかし、制作費が局側であって制作委員会方式じゃないのならDVDの売り上げや版権は確保できるんじゃないのか?」

長門「地上波に乗せなければ話題にもならないため、DVDは売れない。版権グッズ売り上げは持っての他」

キョン「だからどこの会社も乗らないってわけか」

長門「そう。制作費を度外視した作品作りをやれる会社は数社のみ。それも営業努力で利益に結びつける体力のある会社だけ」




121 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 10:18:49.31 ID:aB8HQrRx0
キョン「だったら、結局変わらないんじゃないのか?数は」

長門「地上デジタルはCSやBSを今より手軽に登録できるようになる。これは大きな要素」

キョン「確かに、インターネットにつながっていて、カード決算が出来るよう家庭なら、ボタン一つで番組購入やCS加入が出来る仕組みになってるな」

長門「さらに地デジはリアルタイムで視聴率が出る。アニメの視聴率が全国で割り振り出来、さらに具体数字で出るため、視聴率自体があがる可能性もある」

キョン「観測的意見だな」

長門「減る可能性も高い。あるいは視聴率と還元利益も詳細に分かるため、結果として減ることも予測できる」

キョン「つまり、増える可能性は大きくあるが、今出ているデータが真実なら減るかもしれない、ってことか」

長門「ただし、これはあくまで個人的観測。増えて欲しいと思っている」

キョン「そうだな」




122 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 10:32:28.79 ID:aB8HQrRx0
キョン「DVDの価格の高さは問題だな」

長門「ペイラインの水準値がそのライン」

キョン「すまん長門。ペイラインって言うのがいまいちわからんのだが」

長門「その売り上げによって会社、あるいは業界が保たれる数値」

キョン「いや、それはわかるんだが、なんで3500枚という数字が出るんだ?」

長門「分かりやすく言えば、その数字が出れば黒になる」

キョン「それも分かる」

長門「スポンサーがDVD販売会社ならDVDは実は1話2000円なら2000枚売れれば利益が出る。1話1000円でも4000枚なら売れる」

長門「CD会社ならキャラクターソングなどで利益は出る」

長門「しかし、その場合、製作会社に入る金額は無い。割り振り金額が低くなるため底上げして、DVD価格も高くなる」




124 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 10:38:25.20 ID:aB8HQrRx0
長門「実はDVD、原価は200円?400円。残りの金額を分け合う形」

長門「メインスポンサーの取り分が固定されている場合は、制作会社の利益を少しでもあげなければならない」

長門「したがって価格も高くなる」

長門「DVDがもし半額でも1万枚売れると確定していれば安くなる」

キョン「ちょっと待て」

長門「何」

キョン「1万枚売れるなら1万円で売れば1億じゃないか」

長門「ここにおいてゲーム理論の適用される案件とは別、半額で出せば1万枚売れる、と過程した場合」

キョン「なるほどな」

長門「でも現実は違う。一枚400円でも平均で割り出せば4000枚程度しか売れない。一枚4000円でも4000枚売れる」

キョン「つまり適正価格と落ち着いてしまってるわけだ」

長門「そう」

キョン「なんだかなあ」




128 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 10:43:58.92 ID:aB8HQrRx0
長門「これを脱却するのは制作会社には不可能、こればかりは顧客本願しかない」

キョン「DVDを買え、ということか?」

長門「そうではない」

キョン「他に方法はあるのか?」

長門「アニメ作品にスポンサーが出資できるような形態が望ましい」

キョン「つまりスポンサーからアニメを作って欲しいと思わせるわけか?」

長門「そう。CMが付くくらいの視聴率、CM商品が売れる還元率が重要」

キョン「そりゃ無理だろう」

長門「ほぼ不可能。ただ制作費が上がれば作品自体に黒が出せる。DVD価格は抑えられる」

キョン「かなり厳しいな。今でさえアニメの中でそのアニメのDVDやキャラソンのCMやってるくらいだしな」

長門「そう。アニメにそこまでの影響力は無い。ただアニメの力は何かしら存在する」

キョン「顧客由来……か、結局娯楽ってそんなものかね」

長門「そう。所詮は水物。顧客が喜ぶことが第一義」

キョン「某フジのドラマが一話5000万の制作費と聞くしな」

長門「アニメにおいては、一話制作費が5000万もあれば、DVDは一話500円程度で販売も可能」




129 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 10:52:35.33 ID:aB8HQrRx0
キョン「500円!?原価400円くらいなんだろ?」

長門「2話100円の利益でも十分。作るだけで一話に付き1000万以上の利益が出るのは大きい」

キョン「500円でも4000枚程度しか売れないんだろ?利益はほとんど出ないじゃないか」

長門「利益は出ない。しかしこの場合はネームバリュを優先化するのも経済の一つの手段。この業界においてはマジョリティニーズの少なさは顕著」

キョン「オタクに特化したニッチ産業ってことか」

長門「ロイヤリティよりもブランドエクイティを優先し、良質なものを安価で市場に提供するのは多くの顧客を確保しスポンサーニーズを獲得できる」

キョン「つまり?」

長門「オタクの人、オタクになりかけの人、非オタク、新規顧客層の拡大化は重要、あの会社、あるいはあの作品なら知っている、というブランド力は偉大」

キョン「ブランド力……ねぇ」

長門「サイレントマジョリティを顧客に出来れば、有利性は十分に働く。広告の基本、もっと勉強するべき」

キョン「すまん、要約してくれ」

長門「ザリガニでマグロを釣るようなもの」

キョン「そこまでか」




131 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 10:56:45.34 ID:aB8HQrRx
キョン「俺だったら、4000円で売るけどねぇ」

長門「それもまた一つの企業の選択。ただし先を見た投資をするべき」

キョン「しかしなぁ」

長門「たとえば2000万の制作費であれば、4000円で売る。3000万の制作費なら2000円。4000万なら800円、5000万なら500円」

長門「このように利益に合わせてブランド認知力向上を図る必要性がある」

長門「ことアニメ業界においては製品の良し悪しよりも重要なファクター。しかし顧客とスポンサーによる認知度がなおさらに重要」




134 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 11:09:18.49 ID:aB8HQrRx0
長門「DVD原価の振り分けの話をする」

長門「DVDそのものの原価は質にも拠るが15?30円、編集作業等が50円程度。プレスに50円、梱包40円。流通価格が20円前後」

長門「おまけが付けばその分の値段が微々加味されるが基本価格はこの程度」

長門「ただし、中に入っている商品、つまりアニメ本編は製作者や他に利益分配を鑑みた上で一話に付き1500円程度の価値が存在することになる」

キョン「でも海外で売ってるDVDは安いじゃないか」

長門「日本国内で利益が出た作品のみ海外に出ている、といっても過言ではない」

長門「ただ、企画段階で海外を視野に入れた作品は別」

長門「海外のDVDの売り上げなどは流通価格や字幕追加価格もかかるので利益などはほとんど見ていない。会社にとってもお小遣い程度」

長門「次企画のパイロットフィルム分の金額が回収できれば万々歳、という程度の考えでプレスしている」




135 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 11:10:16.90 ID:aB8HQrRx0
キョン「じゃあなんで出すんだ?」

長門「それこそブランドエクイティ、ブランドロイヤリティの話」

キョン「顧客を増やすって奴か」

長門「そう。この会社の作品だから買ってみよう、と思わせることでDVDではなくTV放映できる可能性がある」

キョン「テレビ放映とDVD販売ってどう違うんだ?」

長門「DVDは市場に売りに出す形。企業努力が必要。TV放映の場合は一度作った作品を買い取りという形で放映するため、利益は比じゃない」

長門「あるいは海外から作品を作ってくれ、という依頼も来ることがある。そのために利益が出ないのを見越しても海外にプレスする。価格差はここ」

キョン「つまり海外に至ってはアニメに関してペイラインが低く利益水準に到達してないというわけだな」

長門「そう。海外は日本と放映形態が違うのも一つの要因」




138 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 11:33:33.67 ID:aB8HQrRx0
キョン「アニメファンド禁止というのがわからんのだが。アニメにファンドもくそも無いだろう」

長門「現物ファンドの場合、個人投資を運用できるキャパシティは業界には無い。会社にも無いため会社投資」

キョン「それは株買取じゃないのか?」

長門「そう。ただし、株買取とはいえ、作品投資に近い形になるため1クールなら4ヶ月の回転率」

キョン「何が問題が?」

長門「インサイダー扱いを受けた人間がいる」

キョン「ああ、つまりそれでか」

長門「特殊な例と同時に、大きな前例は慣例になる」

長門「したがって白に近いグレーを皆が避けたのは事実」

長門「現物ファンドは期待の星」




139 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 11:35:02.95 ID:aB8HQrRx0
キョン「海外といえば動画作業は海外に撒いてるよな。あれはいつくらいからなんだ?」

長門「待って。資金の話が終わっていない」

キョン「いいよもう。どうせほとんどわからねえんだ」

長門「まともなプロデューサーを業界が求めている」

キョン「はいはい。勉強しますよ」

長門「そうあるべき」

古泉「んっふ、作画の話なら僕の方が」

キョン「古泉、悪趣味だぞ。何時からそこに居たんだ」

古泉「最初からです」

キョン「そうか。助け舟を出してくれても良かったのに」

古泉「それで、海外の作画の話ですけれども」




140 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 11:36:27.64 ID:aB8HQrRx0
古泉「白黒時代、エイトマン時代から海外発注はやっていたんですよ」

キョン「そうなのか」

古泉「今みたいに大量、あるいは全部発注ではないんですけどね」

キョン「日本のアニメの歴史は海外作画の歴史ってのは本当だったのか」

古泉「4社協定の話などややこしい話があるのですが固有名詞をあげるのは避けたいので掻い摘んでお話します」




141 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 11:39:06.48 ID:aB8HQrRx0
古泉「漫画の神のせいで、この業界は貧しい、なんて話もありますけれども」

古泉「いつも僕たちは神に振り回されるんですね。んっふ」

キョン「気色の悪い冗談はいいから先へ進めろ」

古泉「漫画の神自体は安い金額で引き受けて漫画で出た利益でアニメーターを食わせていたんです」

古泉「それこそアニメーターは中卒、高卒でも1年働けば都内に家が買える、といわれたほどに高給取りだったんですよ」

キョン「そうだったのか。あの当時から貧乏だと思っていたんだが」

古泉「アニメーターは高給取り、そういう時代もあったんです」




142 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 11:43:01.32 ID:aB8HQrRx0
キョン「今じゃ想像もつかないがな」

古泉「ところが利益が出ると勘違いして便乗でテレビアニメを作る会社が増えた」

キョン「ふむ」

古泉「しかし他社は手塚や日曜朝の帝王みたいに後ろ盾があるわけでもなく給料は安い」

古泉「そしてそんな会社が増え、漫画の神の会社自身も時代の流れでインフレ化が起り給与体系も変形しました」

古泉「しかしアニメの原価の変更がありませんから貧薄なままです」

古泉「そこで大きな会社がアニメの給料をあげろ、と声高に叫びました。どの会社もです」




174 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 18:37:14.19 ID:aB8HQrRx0
古泉「そこで協定を組み、給料を上げようとした」

キョン「それはやるべきだ」

長門「2社ほど労組があるのはそれが原因」

古泉「今みたいにたくさんアニメ会社があったわけでもなく、元請け数社の協定は暗黙の了解になりました」

古泉「しかし、協定の彼らの提示した価格よりさらに安く仕事をしますよ、という会社が出てきたんです」

キョン「裏切り者か」

古泉「ええ。彼らは何故安く仕事を出来たのか、というとそれこそ作画を海外に丸投げする、という事で安価に作ろうとしたんです」

古泉「その結果、協定達の人間も仕事がなくなるのでは困る、と結局、安価でアニメの仕事を引き受けざるを得なくなり……」

キョン「今に至る、と」

古泉「そうです。もうこれは40年以上も前の話ですから」

キョン「そんなに昔からなのか!!」

古泉「んっふ。まったく困ったものです」




182 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 20:55:36.66 ID:DnS0MYtu0
このSS、2chなのでどこまで信じていいか分からんが、しかしよく出来てるな
制作会社を一つ一つ分析して立て直していく必要性が思いっきり感じられる
経済学勉強するわ、何もできないのが悔しいが
評論家はそういうのやらないんだろうか、文字通り腐っているとしか思えない業界なのに

なんだか未来が見えません
マジレススマソ



187 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 21:31:04.30 ID:aB8HQrRx0
キョン「アニメーターは儲からない、よく言うけど実際のところどうなんだ?変革なんかは出来ないのか?」

長門「確かに単価の安さや仕事量で言えばアニメーターは最初は稼げない」

キョン「やはりそうなのか」

長門「ただし、この業界、現場で働く人間で一番儲かる可能性が高いのは脚本家とアニメーター」

キョン「そうなのか?脚本家はなんとなくわかるがアニメーターより演出や監督の方がいいんもんだと思ってたんだが」

長門「現状では監督で億を稼ぐ人が3人くらいいる。しかし1000万稼ぐ監督は5人もいない」

キョン「アニメーターはもっと低いんじゃないのか?」

長門「打率の問題。確かにアニメーターに比べ監督や演出は単価自体は高いから貧乏という意見は出ない」

キョン「そうだろ?あまり聞かないしな」

長門「しかし、アニメーターで1000万クラスの人間は業界でも私の知っているだけで20人はいる。割合としては実は一番多い」

キョン「そうなのか」

長門「演出は実は自給換算すると一番割合が低い」

長門「コンスタントに高給なのがプロデューサー、上が多いのがアニメーター、平均的だけど実務の多さがずば抜けてるのが演出」




191 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 21:38:58.50 ID:aB8HQrRx0
キョン「そいつは驚きだな。絵コンテ単価とか結構高かったような」

長門「絵コンテのみの単価で言えば確かに高い。筆の早い人ならどんどん描ける」

長門「ただし、アニメーターに比べ絵コンテは本数に絶対数の限りがある」

長門「したがって稼げる限度額がある。いくら能力があっても頭打ち」

長門「アニメーターはカット数から換算すれば稼げる限度額は作業の物理的量を超える」

キョン「分かりやすく説明してくれ」

長門「アニメーターは一話につき300CUTの作業量がある。対して演出は一話につき一本の絵コンテ」

キョン「ああ、なるほど。作業量がぜんぜん違うな」

長門「そう。一人原画をやれば作監料も入る。月給200万を超える」

長門「天才でも一日にかけるカット数には限界がある。よって物理的限界の方が先に来る」

キョン「しかし、演出は描けるスピードよりも、本数の方が先にリミットを越える、と」

長門「そう」




194 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 21:44:16.83 ID:aB8HQrRx0
長門「さらに絵コンテ、後処理演出までやれば一話につき3ヶ月は拘束される」

キョン「でも単価は60万程度か」

長門「そう。だから皆かぶらせて何とか仕事をしている」

長門「アニメーターは紙から離れれば仕事から離れられるが、演出は一度仕事が決まればずっとそちらに没頭する」

キョン「休み無し……になるのか。凄いな」

長門「そう。一枚看板の責任は大きい」

長門「後処理まで含めた演出をやると年間に良くて12本、8本やれれば優秀な方」

キョン「はぁ、確かに有名な演出でもそんなに作品はやってないよな。そういえば」

長門「単価に惑わされやすいが、時給換算すると一番低く、作品の責任を持つのが演出。優秀なアニメーターなら演出の貧困はよく知っている」




195 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 21:49:48.25 ID:aB8HQrRx0
キョン「業界の給与に関して長門はどう思うんだ?」

長門「音響監督などは給料が高すぎる、という意見がある」

キョン「そうなのか?」

長門「一本に対して10?15万もらっている。作業としては3日程度で終わらせる人が多い」

キョン「優秀だな」

長門「だから大量に仕事をする。月給が50万超えるのが普通。他業務では考えられない」

キョン「貧乏なアニメ業界なのに羽振りがいいな」

長門「だから音響の単価を下げその分をアニメーターに分配する、という意見もある」

キョン「そうするべきだ」

長門「そんなに単純な問題ではない。単価が安いとこちらに人が来ない可能性もある」

キョン「ああ。確かにな。優秀で他業界でも音響が出来るなら単価の安いアニメ業界には人が来ないかもな。絵描きじゃないわけだし」

長門「そう。ジレンマ。良くも悪くも固定されている現状を打破するには一つ材料不足」

キョン「よくもわるくも相互関係がきっちりとしてしまっているわけか」

長門「今のアニメ業界は奇跡のバランスで成り立っている」




197 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/07/19(日) 21:56:51.13 ID:aB8HQrRx0

キョン「脚本について知りたいんだが」

長門「あくまで私はラインプロデューサー。財政管理、人集めは仕事ではない」

キョン「そうなのか。プロデューサーもコープロデューサーとかエグゼクティブプロデューサーとか横文字ばっかりで意味がわからんな」

長門「名前だけではない、役職の応じた仕事は皆している」

キョン「まあその役職の仕事がわからないんだが……」

みくる「キョン君、脚本家については私の方が詳しいと思います」

キョン「朝比奈さん?」

みくる「演出家と脚本家は切っても切れない間柄ですので」



キョン「えー、アニメ業界の求人は……」その2へ


[ 2009/07/19 11:52 ] SS 涼宮ハルヒの憂鬱 | このエントリーを含むはてなブックマーク | コメント(1)

5 名前: 萌えっ娘。名無しさん 投稿日:2009年07月19日 16:54
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